「昼間は問題なく通信ができているのに、夜になるとインターネットの回線速度が遅くなる」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。いざ使いたい時に通信が遅いと、ストレスも多いと思います。
夜だけ回線が遅くなる場合には、サーバーの問題やプロバイダの混雑など、いくつか原因が考えられます。そういったよくある原因には、適切な解決策を実施することで、悩みを解消できる可能性があります。
本記事では、夜だけ回線が遅くなる典型的な原因と対策、通信速度を確認する方法、昼夜問わず通信が遅い時の対策など紹介します。
夜の回線速度が遅い原因と対策は?
回線速度が夜だけ遅くなる原因としては、以下の3つが挙げられます。それぞれの原因と対処方法を見ていきましょう。
- サーバーの問題
- プロバイダが混雑している
- マンションで回線を共有しているため
サーバーの問題
特定のウェブサイトやウェブサービスで、夜だけ通信が遅くなるのであれば、利用しているウェブページのサーバーが混雑していることが原因として考えられます。
夜の時間帯になるとアクセスが集中して、結果として通信が遅くなってしまうということです。サーバーの混雑が原因であれば、時間帯を変えてアクセスするのがひとつの解決策となります。
そのほか、IPv6 対応の光回線へ乗り換えれば、対応のウェブページへアクセスする際に、回線速度の改善が見込めます。IPv6接続に対応する光回線では、従来のIPv4接続での混雑は回避することが可能です。IPv6に対応していない光回線を利用中であれば、乗り換えも選択肢のひとつとなります。
プロバイダが混雑している
プロバイダの混雑が原因の可能性も考えられます。
プロバイダは回線事業者が提供する回線と、インターネットをつなぐ役割を果たしています。 夜の時間帯に、プロバイダで混雑が発生すると、回線速度が低下してしまうことがあります。
プロバイダが原因で速度が低下する場合は、プロバイダの乗り換えが有効な解決策となります。
マンションで回線を共有しているため
マンションでは、1本のインターネット回線を共有して使用している場合があり、夜などの利用者が多い時間帯になると、回線が混雑して回線速度が遅くなってしまうことがあります。
回線を共有して利用しているかについては、回線事業者や管理会社に問い合わせをして確認してみましょう。
また、マンションでは、共有スペースから各部屋までLANケーブルで接続するLAN配線方式、電話線で接続するADSL方式などの接続方式もあります。
各部屋まで光回線で接続する光配線方式と比べると通信速度は遅くなる傾向です。混雑だけでなく、通信方式で回線速度が遅い可能性もあるので、合わせて確認が必要です。
昼も夜も回線速度が遅い時の原因と対処方法
通信環境をあらためて確認してみたところ、夜だけでなく昼間の時間帯でも、回線速度が遅かったというケースもあるでしょう。
時間帯に関わらず、回線速度が遅くなる原因としては、以下の4つが挙げられます。それぞれの原因と対策について見ていきましょう。
- ルーターやケーブルの規格が古い
- パソコンのスペック不足
- セキュリティソフトの問題
- インターネット回線が遅い
ルーターやケーブルの規格が古い
ルーターやケーブルなどのインターネットに接続するための機器の規格が古いと、回線速度はどうしても遅くなってしまいます。
WiFiルーターの規格 は次のとおりです。最新の11ax(Wi-Fi 6)か、そのひとつ前の11ac(Wi-Fi 5)に対応するルーターを使用するのがおすすめです。それより古い規格までしか対応していないものだと、体感としても遅く感じるケースが多くなるでしょう。
▼WiFiの通信規格
規格名 | 最大回線速度 | 周波数 |
---|---|---|
IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz |
IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11n(Wi-Fi 4) | 600Mbps | 2.4GHz/5GHz |
IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5) | 6.9Gbps | 5GHz |
IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6) | 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz |
有線接続でパソコンを使用している場合については、LANケーブルの規格も確認しておく必要があります。
LANケーブルの規格 は次のとおりです。カテゴリ6、カテゴリ6Aに対応するケーブルがおすすめです。こちらも古いケーブルを使用している場合には買替えを検討しましょう。
規格名 | 最大通信速度 | 伝送帯域 |
---|---|---|
カテゴリ5 (CAT5) | 100Mbps | 100MHz |
カテゴリ5e (CAT5e) | 1Gbps | |
カテゴリ6 (CAT6) | 250MHz | |
カテゴリ6A (CAT6A) | 10Gbps | 500MHz |
カテゴリ7 (CAT7) | 600MHz | |
カテゴリ7A (CAT7A) | 1000MHz | |
カテゴリ8 (CAT8) | 40Gbps | 2000MHz |
パソコンのスペック不足
通信環境に問題が無くても、使用しているパソコンのスペックが低くて動作が遅いために「通信が遅い」と感じてしまっていることも考えられます。10年以上買替えをしていないなどで、処理性能やメモリが不足している場合には、買替えを検討しましょう。
セキュリティソフトの問題
パソコンに入れているセキュリティソフトが原因で、回線速度が遅くなってしまう場合もあります。特にセキュリティが2重に動作すると、回線速度が遅くなる原因となる可能性があります。
使用しているセキュリティソフトを確認し、2重に動作している場合には不要なものをアンインストールしましょう。
インターネット回線が遅い
通信環境を見直して改善が難しい場合は、インターネット回線自体が原因の可能性もあります。契約しているインターネット回線自体が遅いと考えられる場合には、乗り換えも検討しましょう。
現在、フレッツ光や光コラボレーションの光回線を契約中であれば、独自回線の光回線への乗り換えで、通信速度が改善できる可能性があります。
独自回線は、NTT東日本・NTT西日本以外の自社回線や、NTTの回線で使用されていない余剰の回線を利用して、光回線のサービスを提供しています。 独自回線は、利用者が比較的少なく、回線混雑が回避しやすいことが特長となっています。
夜に遅くなる回線速度の状況をチェックする方法
回線速度は各種のスピードテストのサイトからチェックできます。例えば以下のサイトから回線速度の測定が可能です。
ブロードバンドスピードテストでは、「スピードテストを開始する」のボタンを押すと、スピードテストが実行されます。ダウンロード速度、アップロード速度、ピン(=Ping値)の測定が可能です。
測定完了後に、ダウンロード速度、アップロード速度、Ping値が表示されます。
同様にSpeedtest by Ooklaでも「Go」のボタンで測定が実行され、測定完了後にダウンロード速度、アップロード速度、Ping値が表示されます。
回線速度としては、30~150Mbps程度の速度 があれば、高画質動画やオンラインゲームも含め、快適に利用できます。ネットショッピングやYouTubeの閲覧程度であれば、4~29Mbps程度でも十分です。※
3Mbps程度になってくると、動画の視聴が厳しい場合もあり、使い方が限定されてきてしまう可能性があります。回線速度の見直しが必要になるでしょう。
スピードテストの結果から、ご自身の使い方に必要な回線速度が出ているのか、確認してみましょう。
※参照元:快適な通信速度の目安とは?
夜だけ回線速度が遅いことに関するよくある質問
夜だけ回線速度が遅いことに関するよくある質問についてもまとめておきます。気になる疑問を解決していきましょう。
今日だけ回線速度が遅い原因は?
今日だけ急に回線速度が遅くなった場合には、通信障害の可能性もあります。通信障害の情報は、契約先のインターネット回線の公式ページで確認が可能 です。「急に回線速度が遅くなった」と感じたら、通信障害の情報をチェックしてみましょう。
iPhoneの回線速度が夜に遅い原因は?
iPhoneなどスマホの通信が夜に遅い場合には、契約先の携帯電話会社の回線が混雑していることが原因として考えられます。
特に格安SIMを契約している場合には、ドコモ、au、ソフトバンクといったキャリアに比べると利用者が多い時間帯に通信速度が低下しやすい傾向です。 ストレスが多く感じる場合には、契約先の乗り換えを検討しましょう。
まとめ
今回は、夜だけ回線速度が遅くなる原因と対策、通信速度の改善方法などを紹介しました。
夜だけ回線が遅くなってしまう場合には、サーバーやプロバイダの問題がまず考えられます。そのほか、マンションにお住いの場合には、回線を共有していることが原因で通信速度が遅い可能性もあります。
夜だけに限らず通信速度が遅い場合は、通信環境の見直しで改善ができることもあります。通信環境をあらためて見直してみて、改善が難しい場合には、インターネット回線の乗り換えも検討しましょう。